鮭とばとは、鮭の身を細長くスライスして、海水で洗った上で干した乾物です。
魚の中でも特に味わい深い鮭から、干すことで水分を抜いてあるので、鮭とばの風味は非常に濃厚です。海水の塩分が程良くしみ込んでいるので、それがさらに風味を良くしています。
特に日本酒との相性が良く、酒の肴として人気の高い食品です。
しかし水分が抜けている分、鮭とばは硬く、歯や顎が弱い人の場合、うまく食べることができない場合があります。そのような場合は、軽く炙ってから食べることをおすすめします。電子レンジで加熱することも、ひとつの手です。
数十秒程度で良いので、軽く加熱すると、鮭とばはグッと柔らかくなります。これは、鮭の脂が熱でとろけたような状態になるからです。これにより身がほぐれ、歯で簡単に噛み切ることができるようになるのです。
冷えるにつれて再び硬くなるので、できるだけ加熱したての状態で食べてください。レモン果汁やマヨネーズ、ラー油などを好みで加えると、また違った風味を楽しめるようになります。
それでも硬くて食べにくいという場合は、日本酒にひたして水分を吸わせてみましょう。
具体的には、まずは適度な大きさにカットした鮭とばを、タッパーの底に敷き詰めます。そして日本酒を、鮭とばの全体が浸るくらいに注ぎます。そして蓋を閉め、冷蔵庫で半日~1日ほど寝かせておくのです。すると鮭とばは、日本酒を吸収して柔らかな状態になります。
この鮭とばは、そのまま食べても美味しいですが、炙るとさらに美味しくなります。適度に水分が抜けることで、鮭とばの味も日本酒の味も濃厚になるのです。
ストーブの上にアルミホイルを敷き、その上で熱することもおすすめです。部屋中に良い香りが広がり、舌だけでなく鼻でも風味を堪能できるようになります。さらに、わさび醤油をつけたり、七味唐辛子をまぶしたりすると、一層味わい深くなりますよ。
こういった美味しい食べ方を参考に、ぜひ鮭とばを存分に味わってください。皮まで柔らかくなるので、残さず全部食べてくださいね。